大判例

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東京高等裁判所 昭和39年(ネ)1014号 判決

本件家屋についての控訴人の所有権取得は、その仮登記をした昭和三〇年一月一三日にさかのぼつて対抗力を有することになる。そして、被控訴人の本件家屋競売申立の原因となつた山梨県信用保証協会の抵当権設定登記は右仮登記の後である同年五月一七日になされたものであるけれども、他方、本件家屋については右抵当権設定登記と控訴人の前記仮登記との双方に先立つ昭和二六年一一月一五日に登記された右協会のための順位五番の抵当権が存し、この抵当権が本件競落のときまで存続しこの競落によつて消滅するにいたつた事実は当事者間に争いのないところである。ところで一般に、ある不動産について数個の抵当権が設定されているときは後順位の抵当権の申立によつて抵当権が実行された場合であつても、その不動産は先順位の抵当権設定当時の状態で競売に付されたものというべきであるから、右両者の抵当権設定登記の中間において仮登記等に基づく権利を取得したものはその権利をもつて右不動産の競落人に対抗することを得ないと解すべきである。したがつて、本件において控訴人の仮登記以前に前記先順位の抵当権が登記されている以上、控訴人は右の仮登記に基づく所有権の取得を競落人である被控訴人に対抗することができないといわねばならない。

(中西 西川 秦)

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